ハザードランプ点けてみよう 2.構築編

バイク

とりあえず考察・調査は終わったので回路図を考えてみました。こんな感じです。

ノーマル状態
ウィンカースイッチ回路図
ハザード回路追加状態
ウィンカースイッチ回路図

新設するリレーが2個。バッテリーのBl線(黒線)で制御し、C-AかC-Bを導通させる。と言うモノです。
Cは灰色線がウィンカーライン。黒がポジションラインのプラスになります。端子は2Pカプラーです。
新設リレーのBは、リレー不通時=通常時です。CからBへ電気が流れます。
右上のスイッチをONにすると新設リレーが導通してC-BからC-Aへ切り替わります。
ポジション側はBからの出力がないので切断状態となります。ウィンカー側はダイオードを通ってLとRの両方に電気が流れます。コチラはCが灰色なので点滅。つまりハザード状態になります。
一応、しっかりとハザードとしてわかるようにポジションはOFFにしましたが、ポジションをONのままにしたければ右側のリレーは不要になります。ですが、電流値にご注意下さい。また、安全上、明度が変わる点滅は電球の状態不良と受け取られる可能性があるので、点滅時は点灯と滅灯(消灯)をオススメしておきます。

簡単に言うと、右上のスイッチがOFFのときは通常状態で左右のウィンカースイッチに従います。回路的にリレーが挟まっているだけで電気の流れは変わりません。右上のスイッチがONの時にポジションの導通を切断し、ウィンカーの両方にリレーからの電気を流します。
ダイオードが入っているのは、ノーマル時のウィンカー。例えば右点滅の際、ハザード側のラインを逆流して左のウィンカーにも電気が流れてしまうのを防止するために必要になります。

で、ダイオードの先。左右のウィンカーは9Pカプラーの6番(L)と1番(R)になります。5番と8番は端子が入っていませんので、2、3、4、7,9の5本はただの連絡線。1番と6番はカプラーのオス・メスの各端子からギボシの線を引っ張り出して、ダイオードを挟み込みます。ダイオードは極性があります。アソードとカソードと言って、AとKで表します。いわゆるプラスとマイナスの関係でAがプラス。AからKへ電気が流れます。逆のKからAへは流れません(もちろん大電圧をかけると壊れて流れちゃいます)。
ダイオードを2本。AとKそれぞれにギボシ端子を付けて、先ほどの9P1番と6番に接続します。メス端子側がAです。気をつけましょう。
実のところ、9Pカプラーの加工は大したことはありません。面倒なのが2P側。カプラは小さいのにリレー付けるので配線がごちゃっとなってしまうんです仕方ないんですけども。しかも、Aの出力がダイオードのAと連結。つまり2Pと9Pのカプラー同士の渡し船状態になるので、最初にくっつけてしまうと面倒極まりないのでご注意下さい(そのため、あえてギボシ端子としています)。

とまぁ、そんなこんなで作成したハーネス(配線キット)がコチラになります。
作ったハーネス
右側が9Pカプラー用ハーネス。2つ足が出ているようなのがダイオード受け入れ口(K側)です。
左の巨人みたいなのが2Pカプラー用ハーネスです。中央の赤い物体がリレー(赤のビニールテープで包んでいます。元は黒)です。
上の青線がリレーの制御ライン入力側。つまり2Pコネクタ黒線からの入力となります。下のカプラーから出てる赤の線の途中でY分岐していて空いている部分。そこにハザードスイッチ経由で接続となります。(左のカプラーメスと、下のカプラーオス。赤黒配線がでていますが、下のカプラーは配線間違って、黒線は元々の灰色線。赤線は元々の黒線です。左のカプラは、黒線は元々の黒線。赤線は元々の灰色線です)

上の黒線はリレーの制御ラインアース側です。2Pと9Pカプラーのはアースがない(と思っていた)ので、外部から引っ張ってくる必要があります。それと接続です。近くにフォグランプがあるので、その線に割り込む形になると思います。

左のカプラーは、ハンドルのスイッチ側へつながる2Pカプラーです。白はC-A-BのBに該当し、リレー制御の青-黒ライン非導通時にC-Bライン導通となり、Bはこのハーネスの出口になります。通常のウィンカーラインとなります。

下のカプラーは、車体側からのポジション用電源とウィンカーリレーの出力の線です。C-B-AのCになります。

左のリレーからだけ出ている黄色の線(左下)。Y字分岐していて、その先にダイオードのAが接続となります。2つに分かれているのはLとR用。分けてからダイオードです。ケチってダイオードからのY字分岐では意味がありません。ご注意下さい。(回路図眺めて、なんでダメか考えてみて下さい)

 
 
サクッとハーネス作成しているようですが、こんなんで2時間かかっていたりします。ギボシ面倒なんですよ。数が多いので。特に9Pカプラー。7ピンがオスとメス。合計14端子。連絡ケーブルもカットして両端の被膜取って。
2Pカプラも同じですが、コチラは用途が違うので2Pのオス・メスで合計4本・8端子。
できるだけ小型にしようとケーブル長の調整だのなんだのと考えることも多く、困っちゃいます。車なら余り気にしないのですが、バイクは設置場所が小さいので苦労します・・・

それと、写真はないのですがダイオード。コチラにもギボシを付けます。ただ、モノ的に線が丸裸。そこでケーブルをダイオードの足の長さにカットして中の銅線(より線)をまち針でつついてラジオペンチで抜き去ります。これでダイオードの被覆を用意します。A側が赤。K側を黒にします。あとはハーネスのA受け側・K受け側のギボシ端子に合わせてギボシ端子を・・・半田付けです。

 
 
これでハーネスは完成です。Y分岐を面倒がって市販品を使ったせいもあり、ちょっと大きくなってしまいました。全部自分でがんばる。ということであればもう少し小さいハーネスが出来ますよ。

ハーネスの良いところは、実車に取り付ける際はポン付け(今回なら、既存カプラーを外して間に入れるだけ。同じカプラーを用意しているのでパッチンするだけ)です。その分、ハーネスが複雑怪奇になるわけですが。

んでもって。この時点でハザード用スイッチを用意しておきます。実際の取り付けはともかく、スイッチの大まかな配線配置は済ませておきます。(今回使用するスイッチは2コイチのスイッチで、ハザードはやっぱり赤色スイッチだろ?ってことで、そうしました。緑色スイッチはフォグのスイッチになります)

ではハーネスを取り付けましょう。

まずはハンドルを真っ直ぐにしてヘッドライトユニットを取り外します。ヘッドライトの両サイドに六角レンチ用のボルト4本(左右2本ずつ)で留まっているだけ。はずそうとするとヘッドライト用カプラーがべろーんと出てくるので、それを取り外すとヘッドライトユニットがゴロッと外せます。向かって右側(ハンドル的には左)にある黒カバー。ここに9Pと6Pと2Pのカプラーが入っています。防水対策みたいです。
9Pと2Pのカプラーを外して、用意したハーネスを挟み込みます。ダイオードも取り付けて2Pと9Pのカプラとの接続も行います。
この時点で、リレーの青と黒と2PカプラオスのY字分岐の1つが余っているはずです。リレーの青と2PカプラオスのY字分岐をハザード用のスイッチラインに繋ぎます。(車体側はメス端子なので、このハーネスとしてはオス端子からリレープラス側を用意します)

これで残りはリレーの黒線だけになりました。これはアースです。私の場合は近くにフォグの線があるのでそこから拝借(分岐接続)することにします。特にない方は、ハンドルの中央を通し、燃料タンクの横?下側?(カウルを外しましょう)を通してバッテリーまで配線を引っ張ります。車体右側がバッテリーのマイナス端子です(左の赤いカバーがあるほうはプラス端子なので触らないでおきましょう。良いことないです)。バッテリーのマイナス端子にOリングやYリングなどで咬ましましょう。

 
この段階では主にアース(GND)の配線だけが問題になるかと思います。その他は比較的サクッと終了することでしょう。
ちなみに今回用意したスイッチはスイッチにパイロットランプが付いており、スイッチのくせに線が3本でいます・・・アースが必要って・・・面倒くせぇ・・・まぁリレー上の黒端子と合流させれば良いだけなんですけどもねぇ。

 
 
とりあえず配線が終わったら、ハザードスイッチがOFFであることを確認してエンジンをかけましょう。(ONにするだけでも良いですが、長時間試験はやめておきましょうね)

(1)ノーマル状態:フロントはポジションランプが左右ともに点灯。リアは左右ともに消灯
(2)ウインカー右:フロントは右が点滅。左はポジション。リアは右点滅。左滅灯(消灯)
(3)ウインカー左:フロントは左が点滅。右はポジション。リアは左点滅。右滅灯(消灯)
(4)ノーマルに戻す:(1)の状態になっていること。
(5)ハザードスイッチON:フロントは左右ともに点滅。リアも同様。メーター部分も同様
ハザードON
(6)ハザードスイッチOFF:(1)の状態になっていること。
(7)ハザードスイッチON+ウインカー右:(5)の状態になっていること。
(8)ハザードスイッチON+ウインカー左:(5)の状態になっていること。(7)から変化なし
(9)ノーマルに戻す:(1)の状態になっていること。
全体を通してウィンカーの点滅が一定周期であること(点滅間隔に乱れがないこと)

文字にすると面倒ですが、普通に確認すればOKです。
特に問題が無ければ、エンジンを切ってカウル・ヘッドライトを取り付けて、最終確認として同じ確認をしましょう。ハンドルを左右にいっぱいいっぱい振り切ることも忘れずに。カウル装着後にハンドル操作にてギボシが抜けていないか確認するためです。ハーネスはヘッドライト中央の奥に押し込む形になると思います。ダイオード部分が弱いので注意して下さい。

 
はい、できましたー。
作業時間
 設計・準備に数日。ハーネス作成が3時間。実車取り付けは1時間。ってところでしょうか。

うーむ・・・手間を考えると市販品でハンドル交換が手っ取り早いのか?でも、あれはウィンカーリレー辺りを少しいじる必要があったような・・・。まぁいいや。(半値くらいで出来たし)