ポータブルシャワーを買ってみた

日常

「ポータブルシャワー」とは、いわゆる風呂場にあるシャワーの、ホースとシャワーヘッドを切り出して、ホースの先に給水ポンプを取り付けたものです。電動・手動・吊り下げ式などの方式があります。

吊り下げ式は水を入れる袋を頭上など高い位置に吊り下げ、袋株にホースがつながっていてヘッドから水が出るシンプルな方式です。
手動は、水を入れる袋やタンクが密閉構造で、水を入れた後でポンプで空気を入れて内部の圧力を高くし、ヘッドから水を出す方式です。タンクよりも高い位置でも圧力次第で放水可能です。

電動は案力に電動ポンプです。バケツとかポリタンクなどにポンプを入れて電源ON。電源はACだったりシガーソケット、バッテリーと様々です。そしてポンプも大小様々なサイズがあります。

一番楽なのは当然電動。お手軽なのは手動です。吊り下げ式はほぼメンテいらずですが、初期設置が大変です。頭上とかに袋を吊り下げるんです。場所とかポールとかちょっと面倒かなと思われ。コレがクリアになれば、いつでもどこでもシャワーが使えることになり、そういう意味では防災用品としては有用です。その中間が手動式。圧力次第ですし、圧力も手とか足で対応するので、こちらも防災用品としては有用でしょう。

今回は電動式をチョイスしました。こちらです。

ポータブルシャワー アウトドア 2200mAh電池×2 小型シャワーヘッド付き USB充電式 バッテリー&スイッチ分離的 5990円。

コレを選んだポイントは「バッテリー&スイッチ分離」です。
通常はポンプにスイッチが付いており、バッテリー式の場合はポンプにバッテリーが付いています。防水機構とはいえバッテリーは水の中。ということになります。扱いが雑な私ではバッテリー取り付け時にやらかしそうで・・・
それからバッテリーが2個。スペックとして1つで45分から60分。流量は最大4リットル/分。ほかの電動だと通常は2.5リットル/分のようなので流水量も良さそうです。そして水温は50度までOK。これは「お湯を使っても良い」ということ。

これらを満たすのはほぼないので、コレ一択というくらいの商品です。
結論を先に述べておきます。「水勢が弱めなのは仕方ないと諦める必要がある。だが、ポータブルとして考えると必要十分な気がする」という感じでした。

気になったのは、このシャワーヘッドには手元での流水スイッチがありません。止めるにはバッテリーのスイッチを操作する必要があります。これは実際のヘッド取り付けねじを見ないとわかりませんが、安物のスイッチ付き節水ヘッドに買い換えれば良いのでは?と考えてみました。どうなるかなぁ。

 
と思って、実験しました。(右の節水シャワーヘッドは1280円。一番安いヤツ)

なお、スペックは
  ボルト:3.7V
  電流の上限:2.6A
  水の流れ:4L /分(或いは1GAL /分)
  電池容量:2200mAh
  使用時間:45-60分
  ホース:180cm
  USB充電コード:79cm
  商品重量(G.W.): 0.85kg
  充電時間:2-5時間(充電器によります)
だそうです。

実験は、バケツに水を入れてスタートから終了までの水位変化の時間測定です。一番気になることですよね。
高低差はほぼない状態なので、実際にシャワーとして使うには「最大でこれくらい」という感じになると思います。

開始水位(赤矢印) バケツの上端段差部分

終了水位(赤矢印・黄緑矢印) ポンプの上端(グレーの羽っぽい部分が全部出たタイミング)


計測は腕時計のストップウォッチです。手動計測なので誤差大です。
計測は4パターンで1回実施(こんな確認、数回の平均を出すまでもないでしょう)
なお、この時の水量はざっくり6リットルです。スペックとしては4リットル/分なので45秒前後の結果が予想されます。

【パターン1:無負荷(ヘッドなし)】

結果:45秒
水勢:普通にホースから水が出ている感じ。若干弱めだけどポータブルならこんなもんでしょう。水圧が弱い水道。といったレベルです。

 
【パターン2:付属ヘッド】

結果:50秒
水勢:無負荷でのシャワー、そのまんまです。水道からの水量が少ないときのシャワーというか、頭上にタンクがあって、そこからの落下シャワーといった感じです。悪くはないけど物足りない。と感じます。ただ付属のシャワーヘッドの穴パターンが良いのか水の広がりは好感が持てます。なので、逆に水量が気になってしまう感じです。

 
【パターン3:特典ヘッド】

結果:60秒
水勢:水を拡散するのではなく集約する形でのヘッドなので、勢いは倍増。必要十分な勢いとなりました。普通の水道のようなシャワーになります。好感が持てます。が、やはりシャワーとしては広がりがありません。ピンポイント用となります。洗髪とかには向きません。ストッパー付き(ノーマル時はストップ状態)で使いやすいですが、用途が思いつかないかも。(角っこに溜まった砂落としとか?)

 
【パターン4:節水型シャワーヘッド】

結果:75秒
水勢:ほぼパターン2の付属ヘッドと同じ感じです。ストッパー付きなので付属ヘッドよりはポータブルとしては使いやすいです(安物なのでストッパーが弱いけど)。水量が同じイメージなのに時間は1.5倍長持ちなので、比較すると実用的と言えるでしょう。
 
 
全体的な結論としては前述したとおり「水勢が弱めなのは仕方ないと諦める必要がある。だが、ポータブルとして考えると必要十分な気がする」という感じでした。外でシャワー。という店で言えば必要性能は備えている。と言えるかと。満足はできませんが、ある/なしで考えれば十分です。以前(かなり昔)に使ったことがある類似品より遙かに性能がアップしています。使えるレベルに仕上がっていると言って良さそうです。言い方を変えれば「【ポータブルだから】と割り切りは必要」ということです。中途半端に性能が良いので自宅のシャワーと比較してしまうのですが、さすがにそれはダメです。

今回は6リットルの排水性能の計測です。
実際にシャワーとしてつかうとどうなるか?と考えてみると・・・

以前のキャンプでコインシャワーを使ったとき、5分300円で5分ギリギリでした。(途中1分ほど未使用時間がありましたが)
通常のシャワーだったのでポータブルで考えると倍くらいの時間は使いたいかも。水勢が弱いので3倍くらい? まぁ10分くらいと考えると60リットルの水が必要になる。と言えそうです。

水60リットルて・・・普通に準備しておくのは無理ですよね。なので、普通にシャワーという考えではなく「全体をぬらす」「汚れを流す」といった用途限定として使うことが前提になるでしょう。人で使う場合は「海水のべたつきを流す」とか「手足の砂を流す」といった感じ。ビーチボールや浮き輪、ビーチサンダルなどの砂を流す。とか、そういう用途であれば10リットルから18リットルで事足りると思います。

ぶっちゃけ、シャワーヘッドを使わないのが一番気分よく使えます。あちこちに使いたい場合は節水型シャワーヘッドでしょう。
そういう意味では付属ヘッドと特典ヘッドは良いところを抑えているのではないかと思いますが、標準シャワーヘッドにストッパーが付いていれば製品としてはかなり秀逸かと思います。